最高のオーケストラでビジョンを実現
専務取締役
甲斐田 晴子1981年生まれ。佐賀県唐津市出身。早稲田大学政治経済学部卒業。フランスグルノーブル政治学院留学。野村マネジメトスクールによるハーバード大学ビジネススクール「女性リーダーのための経営戦略講座」修了。予備校講師、広告代理店での企画営業を経て2011年当社に入社。飲食店、映画事業などプロデュースし、会社の経営基盤を整え2014年より専務取締役。再開発事業「KARAE」設立を牽引。「佐賀さいこう表彰」女性活躍推進部門受賞（2016年）。執筆論文に「中心市街地活性化におけるまちづくり会社の役割と課題」（経済地理学年報2016）九州大学非常勤講師。
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経営方針を教えて下さい。
- 私は幼いころピアノを習っていました。残念ながら音楽の才能はありませんでしたが、それが転じて、いまは様々なクラシック音楽、オーケストラを聴くのが好きです。経営方針は、まさに最高のハーモニーを奏でることができるオーケストラをつくるイメージです。スタッフ一人一人がどの楽器のタイプで、どのようにすれば持てるポテンシャルを引き出せるか。個々が最善のプレイを尽くし最高の組織力を発揮できるような指揮者でありたいと思い描きながら、日々経営をしています。
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次の10年に取り組みたいことは？
- まち全体の「タウンリノベーション」です。当社は設立以降、カフェレストランや古民家リノベーション、まちなか駐車場を開発し、2019年にはホテル、カフェや飲食店、シェアオフィス、映画館、ギャラリーが入居する複合商業施設「KARAE」を建設しました。その結果、下がり続けていた唐津の商店街の地価が下げ止まりましたが、油断ができない状況です。まちには老朽化が進んだ低利用不動産や、お店を継承しする人がいない空き店舗予備軍が多く存在します。これまでの経験を活かしスピード感を持って、地元密着のまちづくり会社ならではのネットワークとノウハウで、50年後、100年後の唐津の未来と真摯に向き合った まち全体のタウンリノベーションを進めていきたいと思っています。
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これから会社をどのようにしていきたいですか？
- まちづくり会社はNPO・NGOなどと同じイメージで、「行政からの補助金の割合が大きく、社会善を行う職種は給与が低い」と思われがちです。しかし、私は必ずしもそのように思いません。私たちは、三セクでありながらも、会社の運営に行政の補助金は入っておらず、自立した民間組織でです。一方で、まちづくり会社が取り組むことは、少子高齢化・人口減少で縮小する地方都市のマーケットで、まちの課題を解決する新しいビジネスモデルを築くという、通常のビジネス以上の発想と戦略、根気が必要です。そして、地方創生に取り組む公と民の間に立つ第三セクターは、日本でますます必要とされる存在になると確信しています。未来を拓く難しいチャレンジを乗り越えていく情熱と能力のある優秀な人材には、それ相応の労働条件を整えるべきと考えています。それがこの分野の発展や持続可能な取り組みに欠かせないと思います。まだまだ道半ばですが、全国で「地方創生といえばいきいき唐津」と認知が広がり、志ある皆さんが当社に入社することを目標としたくなるようなビジョンと共に、働く環境、条件の整った会社にしていくことが一つの目標ですね。
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好きな言葉や座右の銘を教えて下さい。
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困難に直面した時は、「人間万事塞翁が馬」「面白きなき世のことを面白く」「失意泰然、得意淡然」…こんなことを自分に言い聞かせて、自分を律し踏ん張ってきました。笑
最近は、孔子が人生の指針とした
「学びて時にこれを習う、説ばしからずや
朋あり、遠方より来たる、亦た楽しからずや
人知らずしてうらみず、亦た君子ならずや」
という論語に勇気づけられましたね。
質問とは少しズレますが、数年前に病気して以来、心身ともに健康であることを大切にしています。疲れた時のヨガと良い精神状態を保つための瞑想は日々欠かしません。
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求職者に向けて一言お願いします！
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人間は、本来孤独ではなく、食欲が満たされ、安心できる居があれば、それだけで十分幸せを感じることができるものです。唐津には、都会のような利便性や機能性はありませんが、景色が美しく、食が豊かで、生活の中に伝統文化や花鳥風月を感じることができる豊かさがあります。
「生きる」が豊かな環境の中で、仲間とともに打ち込める仕事がある、勇気が湧いてくるような未来を創る仕事に携われるということは、最上の幸せだと思っています。これから出会う皆さんと、その幸せを少しでも分かち合えたら嬉しいです。
まちづくりは決して簡単な挑戦ではありませんが、だからこそ面白いのです。皆さんの尽力が、会社の事業を進展させ、まちの未来を創ります。皆さんと唐津の未来の景色を共に描き、共に実現していくのを楽しみにしています。
